イベントをみること、道場ステージのこと。

 私はずっと自分のイベントの見方に自信がありません。初めて自分の意思で見ようと思ったライブもトークイベントも大好きなバンドのワンマンも大好きなアイドルのライブも、全部自分の見方に不安しか感じなかったし、今もそうです。初めて行く現場は真ん中の端がいい、ステージの上から見えにくいから。

ステージを見る自分の振る舞いも、表情も、上げた声の大きさ、声色、着ている服、髪型、年齢、性別、全部違う気がして、ここに居てはいけないのではと思う時もあります。違っててもいいと覚悟して無我夢中になってしまうか、チケット代を払ったから、前で見たいから(これはただの欲望です)、と正当な理由を並べて、誰も私のことなんて見てないしイベントを楽しまないのは演者さんに失礼だと自分に言い聞かせないとステージに集中できません。

だから道場ステージであの位置からトリプルファイヤーを見るのが少し怖かった。あのステージは前でないと見えないから、とりあえず前に向かって歩いた中央2列目。ファンの方が「私しょっちゅう来てるので」と言って目の前の最前を譲ってくれたけど、流石に最前ド真ん中で見るのは怖すぎて断った。ファンの方とても感じがよくて優しかった。

ライブはとても良かった。4年ぶりに見たトリプルファイヤー、4年前の夏も夜のお台場で野外だったなぁ。缶のハイボール(濃いめ)を持ってきたボーカルはヘナヘナな感じだったのが青年に近づいた気がして、時の流れを感じた。4年って長いな、中学2年生は高校3年生になっちゃうもんなぁ。あの日も演奏してた『次やったら殴る』を聞いた時、音も演奏もギターの弾き方も懐かしくてすごく感慨深くなった。しかもステージ横でスギムさんがワイン瓶片手に湧いていた。4年前のお台場にもクリトリックリスは出ていて、今年の夏の魔物は大好きなアイドルとこの2組を見るために来たようなものだったから、これが俗に言う「エモい」かと感じた。正直泣くかと思った。ライブは凄かったけど、私はここにいていいのか、と気を抜くとふと不安になってしまってもいた。

アンコール(スギムさんが勝手にコールし始めた)、その存在にもビックリしたけど、曲中スギムさんが客席のロープを上げてステージ側に客を入れ始めた(本当はよくないので後で怒られてたらしい)。前の客を引き寄せてロープの内側に入れた後、私のことも掴んでこっち来いよみたいな感じで引き入れてくれた。その時自然と感じた「あぁ私もこの人たちのオーディエンスになれてたんだ、間違ってはいなかったんだ」って気持ちがその後のライブを気にせずに見れたことに繋がったし、今も心の支えになってると思う。ライブを見た後に感じる私は間違ってなかったのかな?って後ろめたい気持ちはこのライブに関してほとんど持たなかった。なんか悔しい気がするし、本人はそんな意図なんて微塵も無いだろうけど、あの酔っ払いのハゲの少しイかれた行動に救われてしまったんだ。運命みたいだけど、運命というには言葉の方が綺麗すぎるそんな夏の思い出でした。

道場ステージのこと自体について何も触れてませんでした。物販テントサイズで見えそうになくて驚きだったけど音そんなに被らなかったし、何だかんだ見れたので好きになってしまいました。低いステージも境界線がどこにあるのかわからない観客エリアも今となってはなんか楽しかったなと思います(美化しすぎですね)。何よりそこで見たステージが楽しかったから良い場所として記憶されてるのかもしれません。不思議なお立ち台があったCY8ERさん、近くで見るとほんとうに小さくてかわいいなと感じました。見る度に良いなって思います。倉持由香ちゃんのステージ、企画をしながら撮影が出来て新鮮だった。ゲームでプロをグラドルのファンが負かしていくのが(ビギナーズラック的なもので)とてもエンターテイメント的で凄く楽しかった。前述の通り感動と懐かしさと凄くクセになる音楽を聴かせてくれたトリプルファイヤー(special thanks スギムさん)。そして、大好きな二丁目の魁カミングアウトさん。テントの下で見た戦ってるみたいなマイノリティーサイレンとリバが凄く印象深かったです。涼しかったけど熱かったね。あなたたちがいなければ私はあの場所には居ませんでした。とても楽しい場所に連れてきてくれてありがとう。素敵な思い出ができました。

夏の魔物!お台場だったことも、好きな人たちを(すきなひとのすきなひとも!)一度に見せてくれてたことも、なんか全てがトクベツでした!ありがとう!

 

 

 

 

 

 

 

わたしはちゃんとイベントを、ライブを楽しんでいるひとに見えていますか?

もしすきなひとたちがステージから見つけてくれる時があるのなら、どうか、私が楽しんでいるひとに見えますように。